バスには5時間ほど乗っていなければならない。
ミネラルウォーター代を節約するため、あらかじめ大きなペットボトルに水道水を詰めて持ってきたが、列車の中に置き忘れてきてしまい、結局バス待合所の売店で購入することになった。
バス待合所には、水のほかにもコーラや、よく分からない甘い水などが売っていたが、そういうものを飲んではかえって喉が渇くと重い、水ばかり500ミリリットルを5本ほど買った。飲み過ぎたときにそなえてバスにトイレがあることも確認したが、それほど積極的に使いたいというものでもなかった。いずれにせよ途中で2回ほど休憩があるのでそれほど大きな問題にはならない。
一番前の席を予約していたので、大変すぐれた景色だった。もう一度同じクルマに乗るとしても同じ座席を使いたいと思う。フロントガラスにずいぶん大きなヒビが入っていたのが気になったが、きっと雪国では色々なものが飛んでくるのだろうと勝手に納得して安心することにした。
途中に2回ほどの休憩を挟む。バスが停まる時に、運転手の方が現在の時刻、天候、等について説明してくれている様だったが理解できない。とりあえず最後に、トウェンティ、ファイブ、ミニッツ、と言ったところだけは聞き取れたので、25分迄の休憩なのか25分"間"の休憩なのかという所は怪しかったが、その2つのうち早い方に間に合うように用便と体操を済ませてバスに戻った。どうも25分間の休憩だったらしい。
休憩所では、コーヒー、軽食などを買った者はトイレが使える。買わない者は1ユーロを払って使える。僕は、大抵の場合は、2-3ユーロほどの一番安いコーヒーを注文することにしていた。金を払った横の机にコーヒーサーバーが置いてあって、マグカップを山から取って自分で入れるのである。
運転手のほうは、休憩所につくと、バスのトランクから何か大きな貨物を荷車に載せて取り出して、我々の休憩している売店の裏口へ運び入れて、その後は我々と同じように売店に入り、コーヒーと菓子を買い、置いてある新聞を読む。少なくとも彼が店にいるうちは、バスが出てしまって置いてけぼりになる事はないので、我々は運転手を見張りながら、外へ出て体操をしたりなどする。
午後になってしばらく経つと、空全体が桃色に染まって月が出てくる。 この日は満月の3日ほど前の日だった。
イヴァロで休憩中。
イナリ湖畔のホテルイナリという宿屋に一泊した。すきま風もなく、電気も通っていて純・現代的という感じで快適である。ただし、フィンランドの建物の多くに言えることだが、扉が全部オートロックになっていて、いったん閉めると外からは鍵を持っていないと入ることができない。いちど真夜中のバルコニーに締め出され、危機一髪だった。
イナリ湖は真冬にはたぶん全部凍るのだろうが、僕が行った時には、少し内側にはまだまだ水面が見えていて、青天を反射して綺麗であった。
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